
「骨盤底筋って?」
骨盤底筋という言葉は、皆さんあまり耳にしたことがないかと思います。
正確には骨盤底筋群という小さな筋肉の集合体です。
では、どこにあるのでしょうか?
骨盤の底部(恥骨、尾骨および坐骨の間)にあり、ハンモックのようになっています。
この筋肉の役割は私たちの生活に深く関わっています。
① 膀胱、直腸、子宮等を支えている
② 尿や便をとめたり、だしたりと排泄のコントロールをする
③ 姿勢の安定:腹筋などの他の筋肉とともに体幹を支えている 等があります。
加齢にともない骨盤底筋が緩んでくると、排泄のコントロールが難しくなってきます。男女で泌尿器のしくみが大きく違い、男性は尿がでにくい、女性はもれやすいという傾向があります。
男性の尿道の一部が前立腺に取り囲まれており、前立腺は年とともに大きくなります。大きくなった前立腺が尿道を圧迫し、「残尿感がある」「尿に勢いがない」という症状がでます。
女性に多いのが、笑った時、くしゃみをした時など、お腹に力が入ると「尿がすこし漏れてしまう」状況です。
このような尿もれなどに効果的な体操が、骨盤底筋体操(トレーニング)です。
お家でも、外出先でもできる簡単体操を紹介します。
① 立ってする場合は足を肩幅ぐらいに開き、背筋をのばします。肛門を締め、女性は尿道を、男性は陰茎の付け根
を締め、お尻をもちあげるイメージで10秒間保ってください。呼吸は自然にしてください。
② 椅子に座って行うときは、深めに椅子に腰かけます。背筋をのばして立った時と同じように行ってください。
回数は、1日 40回以上。何回かに分けてやるのがおすすめです。
食後に10回、テレビをみながら10回、信号待ちで5回、バスの中で10回等、毎日続けてください。
2カ月から3か月続けると効果がでてくると思います。ぜひ、やってみてください。
NPO法人埼玉県健康管理士会 講師 山下邦代