サルコペニアと体組成計
サルコペニアとはギリシャ語で筋肉を意味するサルコと、喪失を意味するぺニア、これらを組み合わせた造語です。1989年に提唱されました。加齢に伴う、骨格筋量減少と筋力低下の両者を有する場合サルコペニアとしています。2016年国際疾病分類第10版に傷病登録され、現在は疾患に位置します。
介護予防の話の中でフレイルやロコモティブシンドロームといった言葉を聞きますが、一番大枠にフレイルがあり、その中にロコモティブシンドローム、ロコモの中にサルコペニアが含まれるといったイメージがわかりやすいでしょう。提唱団体が異なりますので必ずしも一致するわけではありません。
サルコペニアを家庭で見つけるには、体組成計がお勧めです。体組成計では、体重、骨格筋量(又は筋肉量)体脂肪率、内臓脂肪レベル、基礎代謝、BMI指数などが計測されます。機種によって多少異なります。
計測の原理は体に微弱な電流を流しその抵抗値をもとに算出します。電流を流しますので、体の水分量や体温の影響を受けます。入浴後、運動後、食後2時間以内の計測は正しく測定できないのでNGです。毎日同条件で計測することが望ましいので、起床後や就寝前の計測を勧めます。体重は1日の中で変化します。約1㎏から2㎏変化することもあります。毎日同じタイミングで計測しその結果を記録することが大切になります。
体組成計を使わない簡易のテストとして、「指わっかテスト」を紹介します。両手の親指と人差し指で輪を作りふくらはぎの一番大きなところを測ります。人差し指が届かなければ正常、ちょうどやゆるゆるの場合は少し心配といった目安です。サルコペニアは病気です。ご心配の方はかかりつけ、又は近くの医療機関と相談ください。役所や地域包括支援センターなどでも相談にのってもらえます。
健康管理士 中高老年期運動指導士 山下義尚